「期待はずれ? この僕が?」
「ええ。あなたにあるのは家柄と顔だけでしょう? 私や両親が求める次期侯爵としての素養はなにもありませんし、正直言って期待はずれです」
アダリーシアがニコリと笑う。ラーベルはキッと瞳を吊り上げた。
(嘘だろう? この僕が婚約を破棄された?)
信じられない。……信じたくない。言葉では言い表せないほど屈辱的だった。
しかし、このままでは次期侯爵という地位も、貴族としての富や名誉も、手に入れるはずだったすべてを失ってしまうことになる。なんとかしてアダリーシアに考え直してもらわないと――
「待ってくれ、アダリーシア! 一度婚約を破棄したら、次の結婚相手なんて見つからないだろう? 僕にもたしかに悪いところがあった。これからは君の期待にこたえるための努力をする。だから……」
「その心配はないよ」
と、誰かがラーベルの言葉を遮る。第二王子のジェルバだ。
ジェルバはアダリーシアの肩を抱き、ラーベルをそっと睨んでいる。ラーベルはビクリと体を震わせた。
「ええ。あなたにあるのは家柄と顔だけでしょう? 私や両親が求める次期侯爵としての素養はなにもありませんし、正直言って期待はずれです」
アダリーシアがニコリと笑う。ラーベルはキッと瞳を吊り上げた。
(嘘だろう? この僕が婚約を破棄された?)
信じられない。……信じたくない。言葉では言い表せないほど屈辱的だった。
しかし、このままでは次期侯爵という地位も、貴族としての富や名誉も、手に入れるはずだったすべてを失ってしまうことになる。なんとかしてアダリーシアに考え直してもらわないと――
「待ってくれ、アダリーシア! 一度婚約を破棄したら、次の結婚相手なんて見つからないだろう? 僕にもたしかに悪いところがあった。これからは君の期待にこたえるための努力をする。だから……」
「その心配はないよ」
と、誰かがラーベルの言葉を遮る。第二王子のジェルバだ。
ジェルバはアダリーシアの肩を抱き、ラーベルをそっと睨んでいる。ラーベルはビクリと体を震わせた。



