「――先日我が家から婚約破棄を申し入れたんです。ご存知なかったのですか?」
「婚約破棄!? なんだそれ、聞いてないぞ」
せっかく小声で説明してやったというのに、ラーベルのせいで台無しだ。周囲がざわざわするのを見ながら、アダリーシアはため息をついた。
「アダリーシア、僕は君との婚約を解消する気はない! 僕は君と結婚して、次期侯爵になるんだ」
「嫌ですよ。ラーベル様は私に『期待はずれ』だとおっしゃいました。だけどそれは、こちらのセリフなのです」
アダリーシアはラーベルの手を振り払い、彼を冷たく見下ろす。
「婚約者がいるのに恋人を作り、勉学や自己研鑽を怠り、私にばかり理想を求める。あなたと結婚したところで、私にとってのメリットはないし、領民たちに迷惑をかけてしまいかねません。そんな『期待はずれの』男性は願い下げですから、両親と相談の上、慰謝料を払って破棄させていただくことにしたんです」
「な……」
ラーベルは顔を真っ赤に染めつつ、わなわなと体を震わせる。
「婚約破棄!? なんだそれ、聞いてないぞ」
せっかく小声で説明してやったというのに、ラーベルのせいで台無しだ。周囲がざわざわするのを見ながら、アダリーシアはため息をついた。
「アダリーシア、僕は君との婚約を解消する気はない! 僕は君と結婚して、次期侯爵になるんだ」
「嫌ですよ。ラーベル様は私に『期待はずれ』だとおっしゃいました。だけどそれは、こちらのセリフなのです」
アダリーシアはラーベルの手を振り払い、彼を冷たく見下ろす。
「婚約者がいるのに恋人を作り、勉学や自己研鑽を怠り、私にばかり理想を求める。あなたと結婚したところで、私にとってのメリットはないし、領民たちに迷惑をかけてしまいかねません。そんな『期待はずれの』男性は願い下げですから、両親と相談の上、慰謝料を払って破棄させていただくことにしたんです」
「な……」
ラーベルは顔を真っ赤に染めつつ、わなわなと体を震わせる。



