「わたくしたちはどちらも公爵家の娘。いずれは社交界を引っ張っていくべき存在でしょう? それなのに、ヴェリーヌ様のように平民や下位貴族とばかりお付き合いをしていては、将来困ることになるんじゃないかと思いまして」
(そうかしら?)
そう言い返したい気持ちをグッと堪え、ヴェリーヌは静かに目を細めた。
「彼女たちには刺繍を教わっていましたの。授業のときに、刺繍から魔術を付与する技術が素晴らしかったのを拝見しましたので」
「あら、そうでしたの。けれど、わたくしのサロンにも刺繍が得意な令嬢はたくさんいらっしゃいますわ。今後は是非そちらのほうに」
ユーフェミアはそう言ってヴェリヌーヌの手を握ってくる。
(知ってます。彼女たちじゃ不十分だから教えを請うているのよ)
苛立ちを笑顔の下に隠しつつ、ヴェリーヌの胸がムカムカと疼いた。
ユーフェミアとヴェリーヌはそれぞれ公爵令嬢だが、とことん価値基準が合わない。
選民思想が強く身分第一主義のユーフェミアは、誰にでも気さくに接するヴェリーヌのすることなすことが気に食わないらしく、こうして苦言を呈してくるのだ。
(そうかしら?)
そう言い返したい気持ちをグッと堪え、ヴェリーヌは静かに目を細めた。
「彼女たちには刺繍を教わっていましたの。授業のときに、刺繍から魔術を付与する技術が素晴らしかったのを拝見しましたので」
「あら、そうでしたの。けれど、わたくしのサロンにも刺繍が得意な令嬢はたくさんいらっしゃいますわ。今後は是非そちらのほうに」
ユーフェミアはそう言ってヴェリヌーヌの手を握ってくる。
(知ってます。彼女たちじゃ不十分だから教えを請うているのよ)
苛立ちを笑顔の下に隠しつつ、ヴェリーヌの胸がムカムカと疼いた。
ユーフェミアとヴェリーヌはそれぞれ公爵令嬢だが、とことん価値基準が合わない。
選民思想が強く身分第一主義のユーフェミアは、誰にでも気さくに接するヴェリーヌのすることなすことが気に食わないらしく、こうして苦言を呈してくるのだ。



