【短編集】あなたのためを思って言っているのよ?

「なんだよ、その反応は? 納得できないっていうのか? だったら教えてくれ。一体誰が君みたいな女と結婚したいと思う? 君のその紅い長髪はまったく可愛げがないし、金のツリ目は見ているだけで恐ろしくなる。男性と剣の腕を競い合っては打ち負かし、いたずらに知識をひけらかす――女として期待はずれもいいとこだろう? 君は男性を立てることを知らないのか?」


 ラーベルはそう言って、自分の腕にしがみついているイディアに目配せをした。イディアはニコリと微笑むと「ね?」とラーベルに同意をする。


「見た目はさておき、男性と剣の腕を競い合うのは、そんなに悪いことなのでしょうか? 私は領民たちを守るために剣技を磨いておりますし、女性が相手では怪我をさせてしまいます。加えて、私は別に知識をひけらかしているつもりはございませんので……」

「そうやってすぐに言い返してくるところが気に食わないって言ってるんだ! 少しは素直に僕の言うことを受け入れてみたらどうなんだ? せっかくどうしたらいいか、教えてやっているというのに」


 フン、と嘲るように笑いながら、ラーベルはアダリーシアを睨みつけた。