【短編集】あなたのためを思って言っているのよ?

「最初はね、エステルが急に冷たくなったから寂しい気持ちもあったんだよ。それまでは人懐っこい犬みたいに、嬉しそうに僕の側に来てくれていたし」

「人懐っこい犬」


 客観的に見た自分の様子を聞かされて、それなりにショックを受けてしまう。


「だけど、態度が変わって以降も、表面上ツンと接されているのに尻尾がブンブン振られているのが見えたというか……それがなんとも可愛くて」

「なっ……!」


 つまり、わたしは自分の好意をちっとも隠せていなかったってこと? おそるおそるお姉様を見たら、微笑みながら、何度も何度もうなずいていた。


(やっぱりわたしのせいなんじゃない)


 わたしが上手く誤魔化せなかったから、こんな事態を招いてしまったんだ。過去の自分を大いに攻めながら、わたしはガックリと肩を落とした。