「座ってもいいかな?」
リーヴェス様がわたしを見つめる。美しすぎる笑顔で。
なんとか断れないか逡巡すること数秒――無理だという結論に至ったわたしは「どうぞ」と椅子を進めた。
「僕との結婚について、考えてくれた?」
侍女たちがいなくなるとすぐに、リーヴェス様は本題を切り出した。わたしは眉間にシワを寄せ、仰々しくため息をついた。
「考えません。だって、リーヴェス様はお姉様の婚約者ですから」
我ながら嫌な女だなぁと思う。本当は好きな人を相手に、こんな態度なんて取りたくない。涙がにじみそうになるのをこらえつつ、わたしはそっとリーヴェス様を覗き見た。すると、リーヴェス様が困ったように笑う。心がツキンと痛んだ。
「ねえ、わたしのことを好きだなんて嘘よね。本当は姉に頼まれたんでしょう?」
「え?」
「わたしが――」
そこまで言いかけて、わたしはゴクリとつばを飲む。緊張とか不安とか、いろんな気持ちを深呼吸で誤魔化して、わたしはリーヴェス様にまっすぐに向き直った。
「リーヴェス様のことを好きだから。だから、お姉様はわたしにリーヴェス様を譲ろうとした。違いますか?」
「え? そうなの?」
と、リーヴェス様が瞳を輝かせる。それからリーヴェス様はわたしの側までやってくると、ぎゅっと手を握ってきた。
リーヴェス様がわたしを見つめる。美しすぎる笑顔で。
なんとか断れないか逡巡すること数秒――無理だという結論に至ったわたしは「どうぞ」と椅子を進めた。
「僕との結婚について、考えてくれた?」
侍女たちがいなくなるとすぐに、リーヴェス様は本題を切り出した。わたしは眉間にシワを寄せ、仰々しくため息をついた。
「考えません。だって、リーヴェス様はお姉様の婚約者ですから」
我ながら嫌な女だなぁと思う。本当は好きな人を相手に、こんな態度なんて取りたくない。涙がにじみそうになるのをこらえつつ、わたしはそっとリーヴェス様を覗き見た。すると、リーヴェス様が困ったように笑う。心がツキンと痛んだ。
「ねえ、わたしのことを好きだなんて嘘よね。本当は姉に頼まれたんでしょう?」
「え?」
「わたしが――」
そこまで言いかけて、わたしはゴクリとつばを飲む。緊張とか不安とか、いろんな気持ちを深呼吸で誤魔化して、わたしはリーヴェス様にまっすぐに向き直った。
「リーヴェス様のことを好きだから。だから、お姉様はわたしにリーヴェス様を譲ろうとした。違いますか?」
「え? そうなの?」
と、リーヴェス様が瞳を輝かせる。それからリーヴェス様はわたしの側までやってくると、ぎゅっと手を握ってきた。



