【短編集】あなたのためを思って言っているのよ?

「ヴェリーヌ様、少しお時間よろしいかしら?」


 ヴェリーヌが静かに足を止める。尋ねてきたのは同じ公爵令嬢のユーフェミアだ。金色のふわふわした髪に青色の瞳、どこか儚げな雰囲気を纏った彼女はヴェリーヌに向かってニコリと微笑みかける。


(よろしくないです!)


 そう思いつつ、ヴェリーヌは渋々微笑みを返す。ユーフェミアは「下で話しましょう」とヴェリーヌを教室の外へ誘導した。


「親しくなさる令嬢は、もう少し慎重にお選びになったほうがよいと思いますの」


 校庭のガゼボに到着すると、ユーフェミアはすぐに本題を切り出してきた。ヴェリーヌは内心げんなりしつつ、「まあ、なぜですの?」と質問を返す。