抱えるもの全て

「いただきます」
わたしは、小さく言い、箸を取る。
そして、野菜をつまみつつ、玲くんを見た。
――シュッとした切れ長の目。整った鼻筋。くせっ毛一つない髪も、きちんと整えられている。
改めて見ると結構イケメン。
「……なにこっち見てんだよ」

「いや、なんでもない。え、えっとさ、玲くんってどこの中学校?」

「……、」

「あっ」

…やっちゃった。さっき長く入院してるって言ってたよね。学校に行けないのかな。

「…具合悪いから寝る。静かにしてろよ」

「あのっ、」

慌てて声をかけようとしたけど、玲くんは、シャッとカーテンを閉めて、わたしとの空間を遮断してしまった。

……具合が悪いって言ってたよね。確かに、玲くんの顔は血色が悪い気がする。
同じ心不全だから、わたしもあんな風になるのかな?

「玲くん、がんばれ」

玲くんに聞こえないくらいの声でボソッと呟いた。