「でも、いくら操られていたとはいえ、お前に暴言を吐いたのは事実だし。告白されたときも泣かせたし……おれもお前のことが好きなんだけど、何もなかったことにしてこのまま付き合うってわけにもいかないよな」
「へ」
いまさらっと何か言いませんでしたかこの人。
口をあんぐり開けているわたしに気づかず、拓馬は俯き加減に、暗い表情で続けた。
「お前が納得するまで償いたいけど、嫌気がさしたって言うなら仕方ない。他の男を探し――」
「ちょっと待てぇぇええ!!」
全力で突っ込み、わたしは拓馬に詰め寄ってその両腕を掴んだ。
拓馬が目をぱちくりさせる。
「何。あ、ごめん返すの忘れてた」
「いま日記帳なんてどうでもいいわっ!!」
わたしは受け取った日記帳を最前列の机に叩きつけるようにして置き、再び拓馬の腕を掴んだ。
「わたしのことが好きって言ったよね? 言ったよね!? もう一回言って。あんな、会話の流れでつい口にしたような、適当な感じじゃなくて。わたしの目を見て、ちゃんと言って」
拓馬の腕を握る手に力を込め、真正面から彼の目を見つめる。
「……でも」
拓馬は躊躇っている。
悪夢のような一週間の記憶が彼に余計な罪悪感を抱かせているのだ。
乃亜がここまで計算して彼の心を操ったのだとしたら大したものだ。
もどかしい。彼の罪悪感を引っぺがして叩き潰したい。一週間の記憶を消せるものならそうしたい。
でもわたしにそんな力はない。
だったら、いまわたしができることは何か。拓馬のためにできること。
必死に考えた末、わたしは拓馬から手を離し、両手で思いっきり自分の頬を叩いた。
べちんっ、と、いい音が弾けた。
衝撃も凄まじい。頬がじんじんする。ちょっぴり涙目になった。
「へ」
いまさらっと何か言いませんでしたかこの人。
口をあんぐり開けているわたしに気づかず、拓馬は俯き加減に、暗い表情で続けた。
「お前が納得するまで償いたいけど、嫌気がさしたって言うなら仕方ない。他の男を探し――」
「ちょっと待てぇぇええ!!」
全力で突っ込み、わたしは拓馬に詰め寄ってその両腕を掴んだ。
拓馬が目をぱちくりさせる。
「何。あ、ごめん返すの忘れてた」
「いま日記帳なんてどうでもいいわっ!!」
わたしは受け取った日記帳を最前列の机に叩きつけるようにして置き、再び拓馬の腕を掴んだ。
「わたしのことが好きって言ったよね? 言ったよね!? もう一回言って。あんな、会話の流れでつい口にしたような、適当な感じじゃなくて。わたしの目を見て、ちゃんと言って」
拓馬の腕を握る手に力を込め、真正面から彼の目を見つめる。
「……でも」
拓馬は躊躇っている。
悪夢のような一週間の記憶が彼に余計な罪悪感を抱かせているのだ。
乃亜がここまで計算して彼の心を操ったのだとしたら大したものだ。
もどかしい。彼の罪悪感を引っぺがして叩き潰したい。一週間の記憶を消せるものならそうしたい。
でもわたしにそんな力はない。
だったら、いまわたしができることは何か。拓馬のためにできること。
必死に考えた末、わたしは拓馬から手を離し、両手で思いっきり自分の頬を叩いた。
べちんっ、と、いい音が弾けた。
衝撃も凄まじい。頬がじんじんする。ちょっぴり涙目になった。


