「まずは神さまを無効化しなきゃいけない。ぼくが指示したらすぐ出現させて。……わかってる。すぐに捕まえる」
「捕まえる?」
わたしの呟きが聞こえたらしく、有栖先輩がこちらを向いた。
「ああ、野々原さんには大福の声が聞こえてないのか。神さまは大福と同じくワープ能力を持つんだよ。それを封じるには十キロ以上の重りをつけてやればいい。つまりぼくが捕まえておけばどこかに転移して逃げることはできないってこと」
「なるほど」
頷いて、由香ちゃんの右肩を見る。
どんなに目を凝らしても、やっぱり何も見えない。
わたしだけ大福の声も聞けず、姿が見えないのは悲しい。
神さまと対話する機会があれば、拓馬の洗脳を解くより先に、大福への罰を解除してもらおう――いいや、させよう。
「神さまによる洗脳は大福が防いでくれるって。でも長くはもたないから、短期決戦が望ましいと彼は言ってる。ぼくもそのつもりだから問題なし。この場にいない拓馬の分も込めて、生き地獄を味わわせてやろう」
「はい。是非お願いします」
わたしだって乃亜には怒っている。
これほどのことをしてくれた彼女に慈悲をかけるつもりは毛頭なかった。
「うん。頑張るよ」
有栖先輩は微笑んで上着のポケットからスマホを取り出し、皆の顔を見回した。
「呼び出しをかければ乃亜はすぐに来るはずだ。皆、心の準備はいい?」
皆がそれぞれ肯定を返すと、有栖先輩は文字を打ち始めた。
「既読がついたよ。すぐに来るってさ」
有栖先輩はスマホを上着のポケットに戻した。
それきり、皆が口を閉ざす。
陸先輩も幸太くんも大福と戯れたりはせず、待機の姿勢を取った。
「有栖先輩、入りますよ」
静寂を破ったのは、乃亜の声。
――きた。
陸先輩と幸太くんと由香ちゃんは不快を露にした。
わたしも多分、似たような顔をしていると思う。
「捕まえる?」
わたしの呟きが聞こえたらしく、有栖先輩がこちらを向いた。
「ああ、野々原さんには大福の声が聞こえてないのか。神さまは大福と同じくワープ能力を持つんだよ。それを封じるには十キロ以上の重りをつけてやればいい。つまりぼくが捕まえておけばどこかに転移して逃げることはできないってこと」
「なるほど」
頷いて、由香ちゃんの右肩を見る。
どんなに目を凝らしても、やっぱり何も見えない。
わたしだけ大福の声も聞けず、姿が見えないのは悲しい。
神さまと対話する機会があれば、拓馬の洗脳を解くより先に、大福への罰を解除してもらおう――いいや、させよう。
「神さまによる洗脳は大福が防いでくれるって。でも長くはもたないから、短期決戦が望ましいと彼は言ってる。ぼくもそのつもりだから問題なし。この場にいない拓馬の分も込めて、生き地獄を味わわせてやろう」
「はい。是非お願いします」
わたしだって乃亜には怒っている。
これほどのことをしてくれた彼女に慈悲をかけるつもりは毛頭なかった。
「うん。頑張るよ」
有栖先輩は微笑んで上着のポケットからスマホを取り出し、皆の顔を見回した。
「呼び出しをかければ乃亜はすぐに来るはずだ。皆、心の準備はいい?」
皆がそれぞれ肯定を返すと、有栖先輩は文字を打ち始めた。
「既読がついたよ。すぐに来るってさ」
有栖先輩はスマホを上着のポケットに戻した。
それきり、皆が口を閉ざす。
陸先輩も幸太くんも大福と戯れたりはせず、待機の姿勢を取った。
「有栖先輩、入りますよ」
静寂を破ったのは、乃亜の声。
――きた。
陸先輩と幸太くんと由香ちゃんは不快を露にした。
わたしも多分、似たような顔をしていると思う。

