「じゃあ、昨日も観たよね!?
今回のキスシーンやばくない!?もうドキドキし過ぎてキュン死にしそうだったもん!!」
あー…アレねぇ、
「シルエットキスのやつでしょ?」
「うっわ、ナニソレ、えっっぐ」
と、今まで無言を貫き通していたのに咄嗟に反応し、若干青い顔で吐き気を堪えるために口元を隠す玲奈。
「ねっ!えぐいよねー司くん!」
と、興奮と熱狂で顔を赤く染めて悶えるクラスメイト達。
……おお、すごい温度差だ。
玲奈の方は悪い意味で“気持ち悪い”って言ってるのに、クラスメイト達は完全に良い意味で受け取ってる。
認識の相違がすごい……。
「ってかさ、」
あ。なんか嫌な前置き。
「思ったんだけど、司くんって“このドラマ”が初キスなのかな……」
……なるほど、まずい。
案の定。
両肘を机につき、両手の指先を組んだ玲奈はその上に額を当て、無言で俯く(藤沢司の実妹)。
もうやめてあげて!玲奈のライフは瀕死だから!!
これ以上身内のセンシティブな話は死を免れないから!!
「いやいやいや〜、ドラマであんな自然なのに未経験はさすがになくない?」
「でもこの間まで一般人じゃん?」
「元一般人とはいえあの顔なら周囲が放っておかないでしょー」
「意外と身内……お母さんとか?」
