陽向の心残り


「本来陽向はあの世でもこの世でもない境にいるべきなんだ。このまま現世に居続けると魂が穢れていって戻れなくなる。いつ悪霊になってもおかしくないから、本当はすぐにでも陽向を元の場所に戻してやらないといけない」

「それって、浩輔もできるの?」

「うん。ちょっと唱えればすぐにでも消し飛ばせる」

「消し飛ばすの⁉︎成仏じゃなくて⁉︎」

「まあさすがに元友達を消し飛ばすのは気が引けるっていうか」

「元……」

「ま、ここは生前のよしみってことで」


浩輔は仁王立ちして、威圧感たっぷりに言った。


「陽向がここにいるってことはこの世に何かしらの未練があるってことだ。今日中にその未練を晴らすこと。できなければ俺が陽向を消し飛ばす」

「消し飛ばす以外方法ない?」

「期限は今夜、午前零時な」

「あっ無視」


あまりにもクールな浩輔は、呆然とする私たちをよそにあくびしながら言った。


「はい解散」