私は一つため息を逃がしてから最中を手に取りビニールをはがす。
それを両手に持って口に含むと、サクッと軽い食感のあとに香ばしい香りとあんこの優しい甘さが広がった。
いつだったか、陽向と一緒に食べた味がした。
「っ……」
途端に美味しそうに最中を食べる陽向の姿が蘇る。
……もう一緒に食べられないんだ。
そう思ったら、これまで潜んでいた並々ならぬ感情が濁流のように一挙に胸へと押し寄せた。
私は、陽向のことが好きだった。
多分、陽向も。
でもお互いそれを口にすることはなかった。
私たちにはまだまだ時間があると思ってたから。
寂しくて、悲しくて、なんか悔しくて。
「なに死んでんの、バカ」
こんな呟いても仕方ないことを呟いて、目尻に涙が滲み出す。
――そのときだった。
「希咲」
それを両手に持って口に含むと、サクッと軽い食感のあとに香ばしい香りとあんこの優しい甘さが広がった。
いつだったか、陽向と一緒に食べた味がした。
「っ……」
途端に美味しそうに最中を食べる陽向の姿が蘇る。
……もう一緒に食べられないんだ。
そう思ったら、これまで潜んでいた並々ならぬ感情が濁流のように一挙に胸へと押し寄せた。
私は、陽向のことが好きだった。
多分、陽向も。
でもお互いそれを口にすることはなかった。
私たちにはまだまだ時間があると思ってたから。
寂しくて、悲しくて、なんか悔しくて。
「なに死んでんの、バカ」
こんな呟いても仕方ないことを呟いて、目尻に涙が滲み出す。
――そのときだった。
「希咲」



