陽向の心残り

私も。

一日の終わり、ここで陽向と話す時間が大好きだった。


どんなに寒い日も陽向がいれば暖かかった。

まさに陽だまりみたいな陽向にずっと恋をしていた。




「……大好き。大好き陽向。大好き」



私の初めての告白の返事は、帰ってくることはなく。



「ふ……、うぅ……っ」



私はそのまま目を開けることができなかった。


目を開けたらもう陽向がいないのはわかっていたから。



ただ目を閉じ涙が流れるままにしていると、背中にフワッとなにかがかけられた。


おそるおそる目を開けて、振り返る。



「浩輔……」



背中に感じる浩輔の上着の温もりと優しい手に、また涙が溢れた。




温かさが消えていくコンポタ。


自販機のコンプレッサーの音浩輔の気配。


陽向がいなくても、世界は続く。


いつの間にか降り出していた雪が、陽向のいない世界をしんしんと優しく包み込んでいた。