「っ、そ、そうだ、ユニバは?前行きたいって言ってたよね。あと十八になったら車の免許取ってキャンプ行こうって言ってたし」
今さら新しい未練を探そうとする私に、陽向は口を噤む。
「今年のお祭りもはっぴ着ておみこし担がないとでしょ?それに大学生になったら一人暮らしするから、バイトしてオシャレなソファ買って……っ、一緒に、お酒飲みながら徹夜で桃鉄やろーって……」
どうしようもないことを言ってるって気が付いて、私の目から涙がボロボロと情けなく零れ落ちていく。
「言ったね。ごめんね」
その穏やかな声音も、段々遠くなっていく。
「ほんとに、行っちゃうの……?」
陽向は返事の代わりに優しく微笑んだ。
その大好きな笑顔に、胸がぎゅうと締め付けられる。
「ずるいよ……そっちはもう心残りないのかもしれないけど私はあるよ、たくさんたくさんあるのに」
私たちはいつも一緒だった。
節分の鬼が怖くて泣いた日も
サンタさんの正体を知った日も
補助輪なしの自転車に乗れるようになった日だって
当たり前にそばにいた。
これからもずっと一緒だって、信じてた。



