陽向の心残り

「遺産あったよ!陽向!」

「おおお!それは俺のなけなしの遺産五百円!」

「これ相続していい?」

「おう。もってけドロボー」

「フヘヘ」

「っ、急に可愛い笑い方すんな。心臓ギュンてなっただろが」

「あははっ」


私は笑いながらいつものクセで陽向の肩にもたれようと頭を傾けた。


「!」


当然、もたれることはできずにカーペットに倒れこむ私を、陽向がひどく切ない表情で見ていた。


その表情とカーペットの感触に

胸が引き裂かれるように痛んだ。



「……もし私も幽霊になったら触れるのかなぁ」



悲しすぎて、どうしようもなくてそんなことを言ってしまった。


そんな私に、陽向がすごく困ったような顔をするから。


冗談だよって、笑うより他になかった。