メンヘラちゃんとヤンデレくん!?

昼休み。
スマホが震えた。
『今、誰といる?』
ほんの数分前に返したばかりなのに。
画面を見つめていると、また通知が来る。
『既読ついてる』
『無視?』
胸がきゅっと縮む。
『一人だよ』
そう送ると、すぐに返事がきた。
『なら安心』
……安心?
友達に誘われても、断る理由を探すようになった。
怜くんが不安になるから。
それだけなのに、それが一番の理由だった。
放課後。
校門の前に立つ怜くんを見つけて、私はほっとしてしまう。
「待ってた」
当たり前みたいに言われて、胸が温かくなる。
でもその直後。
「さっき、廊下で誰かと話してたよね」
優しい声。
逃げられない声。
「え……クラスの子に、ちょっと」
「名前は?」
詰まる。
答えないでいると、怜くんは私の手を取った。
「責めてないよ」
指を絡めて、ぎゅっと握る。
「ただ、俺にだけは全部教えてほしいだけ」
近づいた距離。
息がかかる。
「依音は、俺の恋人なんだから」
その言葉に、胸が高鳴る。
――恋人。
――特別。
嬉しいのに、喉の奥が苦しい。
「……私、ちゃんとできてる?」
不安が溢れて、思わず聞いた。
怜くんは少し驚いたあと、優しく微笑んだ。
「できてるよ」
頭を撫でられる。
「依音は、俺がいないと不安になるでしょ?」
こくり、と頷いてしまう自分が怖い。
「それでいい」
耳元で囁かれる。
「他に居場所、作らなくていい」
腕を引き寄せられて、抱きしめられた。
「俺が、全部になるから」
心臓の音が、うるさい。
――息苦しいのに。
――離れたいのに。
「……怜くん」
名前を呼ぶと、少しだけ力が強くなった。
「大丈夫」
優しい声。
でも、逃がさない腕。
「俺が守ってる」
その言葉に、私は何も言えなくなった。
気づけば、
怜くんの世界が、
私の世界になりつつあった