メンヘラちゃんとヤンデレくん!?

夜。
依音はベッドに横になり、スマホを握りしめていた。
『お風呂、先に入ってもいい?』
送信してから、少しだけ胸が苦しくなる。
……ここまで聞く必要、あるのかな。
でも、その疑問より先に通知が鳴った。
『いいよ』
その言葉を見た瞬間、
考えが全部、溶けた。
お風呂に入り、
髪を乾かし、
ベッドに戻る。
『お風呂出たよ』
報告。
『おかえり』
その一言で、胸が温かくなる。
『怜くんがいると、落ち着く』
送信してから、
依音はスマホを胸に抱きしめた。
――これで、いい。
考えなくていい。
選ばなくていい。
全部、怜が決めてくれる。
その頃、怜は画面を見つめたまま動いていなかった。
許可。
報告。
確認。
どれも、依音の方から。
「……想定より、早い」
驚きはあった。
でも、止めようとは思わなかった。
依音は、
自分で決めるより、
委ねる方が楽だと知ってしまった。
それを拒む理由は、どこにもない。
「大丈夫」
静かに呟く。
「ちゃんと、俺が管理する」
依音が不安にならないように。
迷わないように。
――全部、代わりに。
それが優しさかどうかなんて、
もうどうでもよかった。
依音が、落ち着いている限り。