団長はそう言って、私の肩に大きな手を載せた。
◇◆◇
私はその夜、どうしても寝付けなくて、昨日背中を押された屋上へと上がった。
何故か、場所に対する恐怖などはなかった。あの時に、ヴィルフリートに助けてもらえたからだと思う。
……もちろん。フロレンティーナのことだって、ちゃんと警戒していた。未明の時間に私が起き出して、この屋上に来るとは彼女も思っていないと思うし。
「はあ……もう、どこか遠くに行きたい……」
高い建物の黒い影だけが邪魔する満天の星が見えて、大きく息を吸えば冷たい空気が気持ち良かった。
もうとにかく、ヴィルフリートが現在指名手配になってしまっているというあの事実の衝撃が大きすぎた。
……ああ。もう私はどうして、フロレンティーナには敵わないのだろう。私が彼女より上手くやれるなら、こんなに悔しい思いはしなくても良いのに。
その時、視界の端がキラリと光った。
最初、飛行機かと思ったけれど、そんなものはこの世界に存在しないことを思い出す。
白い光がどんどんこちらへと近付いて来るのを見て、私はようやくそれを銀色の竜だと認識した。
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私はその夜、どうしても寝付けなくて、昨日背中を押された屋上へと上がった。
何故か、場所に対する恐怖などはなかった。あの時に、ヴィルフリートに助けてもらえたからだと思う。
……もちろん。フロレンティーナのことだって、ちゃんと警戒していた。未明の時間に私が起き出して、この屋上に来るとは彼女も思っていないと思うし。
「はあ……もう、どこか遠くに行きたい……」
高い建物の黒い影だけが邪魔する満天の星が見えて、大きく息を吸えば冷たい空気が気持ち良かった。
もうとにかく、ヴィルフリートが現在指名手配になってしまっているというあの事実の衝撃が大きすぎた。
……ああ。もう私はどうして、フロレンティーナには敵わないのだろう。私が彼女より上手くやれるなら、こんなに悔しい思いはしなくても良いのに。
その時、視界の端がキラリと光った。
最初、飛行機かと思ったけれど、そんなものはこの世界に存在しないことを思い出す。
白い光がどんどんこちらへと近付いて来るのを見て、私はようやくそれを銀色の竜だと認識した。



