獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 オルランドを温室に迎えに来たあの男性、食堂での重苦しい雰囲気、それにヴィルフリートがまだ帰って来ていない。

 ……もしかして、ヴィルフリートに何かあった?

 フロレンティーナには、ヴィルフリートは操作出来ない。彼の意志がとても強いからだと思う。

 フレデリックは初期段階でフロレンティーナに好ましい印象を持っていたので、彼女に対する何もかもに肯定的なのだと思う。

 ヴィルフリートには姉が居ると言っていたし、女性に対する耐性などもあるのかもしれない。

 小説の中でヴィルフリートがフロレンティーナに好意を持ったのは、彼女が言葉の通り聖女に相応しい女性だったからだろう。

 そうよ……フロレンティーナはもし、ヴィルフリートが自分の思い通りにならないと思えば、彼に何をするだろう?

 自分の邪魔になる存在ならば、たとえ、サブヒーローであろうとも排斥するのではない……?

 そう思い至った私は、慌てて食堂に行った。そろそろ遅い時間になったのもあって人が少なく、数人しかそこには居なかった。

「あの! ヴィルフリートは……ヴィルフリート・レイドさんは、何処に居ます?」