元々、聖女に選ばれるような善性のある人であれば、悪辣な使用方法は決してしないはずだ。小説の中のフロレンティーナだって、そんな風に特殊能力を使う描写は見られなかった。
けれど、フロレンティーナに転生し、後天的に前世の記憶を取り戻した『彼女』は、聖女であることを最大限に利用しようとしている。
悲しいことに、その最大の被害者となったのは私なのだ。
「……ブライスは、何かを知っているのか?」
「いえ。その……」
ここでオルランドにすべてを打ち明けて良いものか、私は悩んでしまった。
どう言えば良いのだろう……何かを言ったところで、無実の聖女を貶めて自分をよく見せようとする悪役令嬢になってしまわないだろうか。
これまでも、そうだったのだ。誰かにフロレンティーナからされたことを打ち明けても、誰も信じてはくれなかったのだから。
「オルランド様! ……申し訳ございません。急ぎの知らせがございます!」
そこに、白髪の初老男性が現れて、彼の隣に居る私の存在を確認したのか、はっとした表情を浮かべていた。
「……悪い。ブライス。話の続きは、また今度聞かせてくれ」
けれど、フロレンティーナに転生し、後天的に前世の記憶を取り戻した『彼女』は、聖女であることを最大限に利用しようとしている。
悲しいことに、その最大の被害者となったのは私なのだ。
「……ブライスは、何かを知っているのか?」
「いえ。その……」
ここでオルランドにすべてを打ち明けて良いものか、私は悩んでしまった。
どう言えば良いのだろう……何かを言ったところで、無実の聖女を貶めて自分をよく見せようとする悪役令嬢になってしまわないだろうか。
これまでも、そうだったのだ。誰かにフロレンティーナからされたことを打ち明けても、誰も信じてはくれなかったのだから。
「オルランド様! ……申し訳ございません。急ぎの知らせがございます!」
そこに、白髪の初老男性が現れて、彼の隣に居る私の存在を確認したのか、はっとした表情を浮かべていた。
「……悪い。ブライス。話の続きは、また今度聞かせてくれ」



