獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 ヴィルフリートは正義感が強いから、私をどうにかして守ろうとしてくれるはずだ。

 いえ……駄目だわ。ヴィルフリートは優しいけれど、このままでは、私はあの人から逃げられない。

 だから、ウィルタリア王国を、一刻も早く出た方が良いと思った。

 そうすれば、フロレンティーナは彼女の進めたい物語から無関係の人物として私を扱い、ただ助けてくれようとしただけのヴィルフリートには何もしないだろう。

 そうよ。私さえ居なければフレデリックと同じように、ヴィルフリートに愛されるように振る舞うはずだ。

 一度、部屋に戻って、これまでに稼ぐことの出来た給金を数えてみよう。

 王城で働こう! と思った時に、庭師見習いを選んで良かったのが、その辺に生えた薬草でも採取したり増やしたりして、お金に換えられそうな有益な知識を得られたことだった。

 隣国まで行って落ち着けそうな場所で、ゆっくりとお金を増やそう。

 今は婚約破棄されたばかりの貴族令嬢でもない……ここ三ヶ月ほどで、一人で生きていけそうな知識も得ることが出来た。

 私は夕焼けを見ながら決意し、スカートをはたきながら、立ち上がろうと思った。