獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 自分の世話係であるフレデリックもすぐに愛されて手玉に取っていたし、そんな彼女を前に私はすべてが後手にまわり、気が付いた時には針のむしろに座っていた。

 今でも、たまに思ったりする。

 私は何をどうすれば、良かったんだろう……フロレンティーナを差し置いて、フレデリックに好かれることは、きっと難しかったと思う。

 それに、数々の嫌がらせをされてきたけれど、私は彼女に嫌がらせを仕返したいとは、どうしても思えなかった。

 ……そうよ。そこで私が強くあれたなら……今が変わっていたのかもしれない。

 そんな情けない私を下に見たフロレンティーナは、狩るべき獲物として認識していたはずだから。

 ……私自身にだって、こうなった原因はあると思う。

 お父様とお母様が、娘がこうなった時に必死に助けてくれようとしているなら、私だってもっと彼らを説得しようとすればそれは出来たことなのかもしれない。

 それに、フロレンティーナがここに現れたということは、自分を好きになるはずのヴィルフリートにこれ以上関わるのなら容赦しないと、そう言いたいということだろう。