フロレンティーナはその場を去ってから、数分立ったままだった私は、なんとなく真っ直ぐ自室には帰りたくなくて、近くにあった建物の屋上へと上がることにした。
屋上は城の皆に開放されていて、景色を楽しみながらお昼を食べる人も多いと聞いていたからだ。
「わ……すごい」
まるで絵画のように美しい夕焼けが広がる空を見て、思わずそう言ってしまった。
ヴィルフリートが所属する聖竜騎士団も、この時間に騎乗訓練をしているらしく、遠くには光を弾ききらめく銀色の光が見えた。
目に入るすべてが……綺麗だった。それなのに、今の私はその光景を見て、素直に感動することが出来ない。
ついさっきに会った人を思えば、楽観的に考えることなんて、無理そうだった。
自分の今の状況を、思い出してしまった。
フロレンティーナから逃れることが出来たと思って居たのも束の間、彼女は役目を終えたはずの悪役令嬢である私のことを、どうにかしてやろうと思って居る。
今思うと、記憶を取り戻した当初から、聖女フロレンティーナに転生した『彼女』には、負けていた気がする。
屋上は城の皆に開放されていて、景色を楽しみながらお昼を食べる人も多いと聞いていたからだ。
「わ……すごい」
まるで絵画のように美しい夕焼けが広がる空を見て、思わずそう言ってしまった。
ヴィルフリートが所属する聖竜騎士団も、この時間に騎乗訓練をしているらしく、遠くには光を弾ききらめく銀色の光が見えた。
目に入るすべてが……綺麗だった。それなのに、今の私はその光景を見て、素直に感動することが出来ない。
ついさっきに会った人を思えば、楽観的に考えることなんて、無理そうだった。
自分の今の状況を、思い出してしまった。
フロレンティーナから逃れることが出来たと思って居たのも束の間、彼女は役目を終えたはずの悪役令嬢である私のことを、どうにかしてやろうと思って居る。
今思うと、記憶を取り戻した当初から、聖女フロレンティーナに転生した『彼女』には、負けていた気がする。



