獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

「……まあ、再調査は時間が掛かるだろう。ブライスへの罪状の速さも異例だった。何か変なことになっていそうだと……俺も思う」

 ヴィルフリートはそう言って立ち上がり、他の竜騎士と共に去って行った。

 変なことになっていると、私もそう思う……フロレンティーナは、そこもきっと操作したのだろう。

「じゃあな」

 ヴィルフリートは手を挙げて立ち上がり、先に食堂を出る途中に周囲の竜騎士たちから小突かれて揶揄われているようだ。

 ……そっか。おそらく私は彼らから複雑な事情を持つ『ヴィルフリートの恋人』みたいに思われていたのかもしれない。

 言葉はきつくて荒いけど、ヴィルフリートは私の言葉を理解してくれる。フレデリックのように私を頭ごなしに否定したりしない。

 けど……別に恋なんてしたくない。

 ヴィルフリートは、ただ、私に同情してくれただけってわかっているから。