獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 気安い態度でオルランドは肩を竦めて、ヴィルフリートはさりげなく私の前に出て彼と対峙した。

「すみません。俺の恋人は照れ屋なんですよ。それにしても、この温室を昼寝場所にするなんて、センスありますね。薄暗くて……良く眠れそうだ」

 ヴィルフリートは、温室の屋根を見上げた。

 透明な硝子で出来ている屋根は、陽光をある程度遮蔽する魔法がかかっているので、どんなに眩しい昼間でもこの温室に降ってくる光量は一定だった。

「まあね。ヴィルフリートは使うなよ……わかっていると思うが」

「わかってますよ。俺は何もかもわかっている男なんで」

 二人だけがわかり合うような視線を絡ませ合い、オルランドは苦笑して温室を出て行った。

「……あの、助けてくれてありがとうございます」

 二人きりになって、私はまず感謝の言葉を口にした。

「おい。嫌なら、はっきり言え。しっかりしろよ。これから、一人で生きて行くんだろ? ブライス」

「っ……!」

 はっきりと拒否の言葉は、何度も言いました……! 聞いてくれなかっただけで!

「ちっ……違います! それは……っ!」