獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 けれど、彼は背も高くて容姿も良いので、女性に人気があるだろうことは間違いない。

 ……恋愛する気のない私には、まったく価値のないことだけれど。

「ブライス。良かったらお茶でもしようよ。食事でも良いよ。好きなものを用意させようか」

「結構です。お茶も食事も一人でしたい派なんです」

 なんだか不思議な現象で、私が断れば断るほどに、私への彼の興味が増していくような気がする。

 興味を削ぐために、一度、お茶に付き合ってみるべきか……? そう思ったこともあるけれど、何も興味のない人と何故時間を過ごさないといけないのかと思い直してやめることにした。

「可愛いのに、強情なんだね。ブライス。では、何ならば一緒にしても良いと思うんだ?」

 甘い表情に甘い言葉、こういう話を、し慣れているのだろうな……と冷静に思う。

 そうは口にしなくても態度や空気が『良かったら、僕と恋愛しませんか』と、言外に告げている。

「っ……何もないです。私は恋愛に興味がありません。これからも一人で生きて行くつもりなので」

 本当に、そう思っていた。