獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 はあっともう一度ため息をついた私を一瞥して、ヴィルフリートは無言のままで肩を竦めて去って行った。

 ……え。何もなし……? これを聞いて、何か良いアドバイスでもしてくれるのかと思って居た。

 ……いえ。私だって彼に助けて欲しいなんて思ってはいないけど、何か言ってくれても良くない……?

 そして、私は慌てて頭を横に振った。何を考えているんだろう。

 ヴィルフリートは何もかもを失った私に衣食住を用意してくれた人で、恩義しかないと言うのに。

 これ以上を求めてしまうなんて、それはいけないことだと思う。

 おそらくは、私の頭の中にフロレンティーナに恋をしていたヴィルフリートが、先入観として残っているからだと思う。

 ヴィルフリートは口の悪いドSだけど、フロレンティーナに恋をしたら様変わりする。彼女を何より大事にするようになって、フレデリックと結ばれることを祝福したりする。

 ……あ? あれ。なんだろう。胸が痛い気がしておかしい。