獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 私の担当することになった温室は、日陰でかつ一定の温度が保たれる場所だった。

 別に温室の外で日焼けしても構わないのにとは言ったものの、庭師の責任者であるジョニーには仕事中は、ここを出ることのないようにと念押しされた。

 おそらくは、私の後見人として登録されることになったヴィルフリートから、ジョニーはある程度の作り話を聞いているのかもしれない……家出しているだけの、知り合いの貴族令嬢とか。

 確かに、そんな貴族令嬢を庭師として普通に働かせていた……となると、ジョニーの立場がなくなってしまう。

 だから、ジョニーは私を日焼けしない場所で、手が荒れない程度の軽作業をお願いしたのかもしれない。

 これは仕方ない。私がついこの前まで、働いたこともない貴族令嬢だったことは確かな事実なのだから。

 信用を積み重ねて、色々と任せてもらうまでに時間が掛かるかもしれない。そこから、様々な経験を積んでいこう。