その時に、私の心をよぎったのは『ここで死んで悪役令嬢の役目を全う出来なかったら、フロレンティーナに何をされるか』だった。
そうこうしている間に熊は右手を振り上げて、私はぎゅっと目を閉じた。
けれど、次の瞬間私の身体に鋭い爪は届かず、肌に熱い風を感じたと思ったら、どしんと大きな音は聞こえた。
「……おい!」
やけに響きの良い男性の声がして、私はおそるおそる目を開けた。
「……え?」
私の視界に入ったのは、焼け焦げた熊の死体だった。先ほどの大きな音は、巨体が倒れた音だったのだ。
薄暗い雨の中でもきらめく、白銀の竜。騎乗しているのは、竜騎士……それも、金髪に青い目、やけに姿の整った男性。
……竜騎士ヴィルフリート・レイドだ。ヒーローの一人。後半からの登場なので、出番は少なかったけど……。
こうして見ると、彼はなんて……素敵な人なんだろう。
「おいおい……どうした。死ぬところだったと言うのに、こんな森の中で、ぼーっとしてるなよ。また死にかけたいのか」
いきなりの登場に呆けて見上げていた私に、彼は呆れた顔でそう言った。
「あっ……」
そうこうしている間に熊は右手を振り上げて、私はぎゅっと目を閉じた。
けれど、次の瞬間私の身体に鋭い爪は届かず、肌に熱い風を感じたと思ったら、どしんと大きな音は聞こえた。
「……おい!」
やけに響きの良い男性の声がして、私はおそるおそる目を開けた。
「……え?」
私の視界に入ったのは、焼け焦げた熊の死体だった。先ほどの大きな音は、巨体が倒れた音だったのだ。
薄暗い雨の中でもきらめく、白銀の竜。騎乗しているのは、竜騎士……それも、金髪に青い目、やけに姿の整った男性。
……竜騎士ヴィルフリート・レイドだ。ヒーローの一人。後半からの登場なので、出番は少なかったけど……。
こうして見ると、彼はなんて……素敵な人なんだろう。
「おいおい……どうした。死ぬところだったと言うのに、こんな森の中で、ぼーっとしてるなよ。また死にかけたいのか」
いきなりの登場に呆けて見上げていた私に、彼は呆れた顔でそう言った。
「あっ……」



