獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

「……待ちなさい! やめて! 何をするの! ……私がヒロインよ! 私こそが皆に愛されるんだからー!!」

 フロレンティーナは自分の手が縛られるのを、信じられない表情で見て、動かないので最後には肩に担ぎ上げられて大広間を去って行った。

「……夜会を続けよ。これは、王命である」

 オルランドの低い声は、大広間に綺麗に通った。楽隊は音楽を奏で始め、呆気に取られていた貴族たちは散らばって踊り始めたり立食でご飯を食べ始めたりしていた。

 私たち貴族には王族の命令は、絶対なのだから。

 私はそんな姿の彼を見ても、信じられない気持ちで一杯だった。

 ウィルタリア王国の王太子は確かにオルランドというお名前だったけれど、三年前から学術都市に留学していて、まだ帰国していないと聞いていたからだ。