獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 おろおろとした様子で語る給仕……あ。この人たち、見たわ。私がフロレンティーナに毒を盛ったと証言した人たちだ。

 そんな様子を見て、フロレンティーナは奇声をあげて、こっちに来ようとするのをフレデリックに止められていた。

 すごいわ……こんな方法で、フロレンティーナを追い詰めるだなんて、私なら絶対に思いつかなかった。

 周囲を見れば貴族たちは興味津々で、こちらを見ている。彼らからすれば、こんなにも面白いことはないのかもしれない。

 これまでは清らか可憐だと思われていた聖女フロレンティーナの転落劇、無関係の人からすればこんなにも楽しい見世物はないわよね。

 それにこれだけの人数が、一斉にこれを目撃していた。

 フロレンティーナはもう、フレデリックのオーキッド公爵家の権力を使おうが何をどうしようが、どうにも言い逃れは出来ない状況だった。

「では、お前たちはその目で見てもいないことを、何故か証言してしまったと?」

「そうなんです! 変な力に強制されているようでした……今は、何故かそれがわかります」