獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

「オルランドも最近、あまりここに来なくなったので、何かあったのかなと思って居ました。忙しかったんですか?」

 彼の仕事は時間待ちが多いらしく、暇な時に昼寝をしていると言っていたけれど、もしかしたら、最近忙しくて来られてなかったのかもしれない。

「そうそう。忙しくてね。いろいろと急ぎで決裁しなければならない事務書類が多くて……君もいろいろと大変だね。ヴィルフリートは、失礼はなかったかい?」

 元々の知り合いらしい彼ら二人だけど、かなり仲は良いのかもしれない。まるで、オルランドが兄の兄弟のような関係のように見える。

「いえ。失礼なんて。昨日、メロールに乗って月の光で出来た虹を見せて貰いました。すっごく綺麗で……本当にありがたかったです」

 本当に美しかった。私はあの素晴らしい景色を見た記憶を、一生忘れることはないと思う。

「古くからの伝承で世にも珍しい月虹を見ると、願い事が叶うとされているね……ブライスはどうだい? 何か叶えたい願いはあるかい?」

 確かにそんな不思議な言い伝えがあると言われても、すぐに納得出来るくらい不思議な光景だった。