獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

「いえ。大丈夫です……ただただ、このままあの人たちとの関係を断ち切りたくて。ヴィルフリート様に感謝だけお伝えしたら、ウィルタリア王国はすぐに離れようと思います」

 地下牢に捕らえられ読み上げられた罪状は、国外追放ではあるものの、猶予期間が三日間ある。

 猶予期間が過ぎても、このウィルタリア王国に居ることが知られてしまえば、私は再び捕らえられてしまうだろう。

 つまりは、その前にウィルタリア王国を出ていけという意味だ。

「いやいや……貴族令嬢なのに? お供も誰も連れず? 一人で旅して国外追放させられるのか。まじかよ」

 私の境遇を聞いて明らかに困っているヴィルフリートに、私はなんとか笑みを顔に貼り付けた。

 ヴィルフリートはドSだけど、ヒーローの一人なので、もちろん悪い人ではない。

 私は前世知識を持っているし、ある程度の社会経験はある。だから、心配しなくても大丈夫なのに。

「……それでは、これにて失礼します」

 私は軽くカーテシ―をしてから、彼の傍にある扉へと向かった。