獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

 私はそう言い放つと、後ろを振り返って走り出した。名前を呼ぶ声が聞こえたけれど、それは無視した。

 そうなの。私が私だけが邪魔者なの。それなのに、ヴィルフリートにわかってもらえると思って、何か勘違いをしていた。

 私が駄目なの。助けてくれると思って甘えて、彼に迷惑を掛けているということに、気が付かないままで。

 その時、ぬかるんだ地面に足が取られて、私はみっともなく転んでしまう! と思った。けれど、片足をついたのは冷たい水の中。

 自分が川に落ちる水の音を、どこか他人事のように聞いていた。