「お疲れ様でーす!」
退勤後の定番居酒屋を教えてもらった。
焼き鳥が美味しいらしい。
「美咲さん、食べる?」
「ありがとうございます!」
隣にいる律さんが、これ美味しいんだよと教えてくれた。
「美咲ちゃんって彼氏いるの?」
「気になる気になるー!」
お酒の力か分からないが、恋バナをするくらいには打ち解けた。
「別れちゃったんですよ、ちょっと前だけど」
「じゃあ今はフリーなの?」
「そうですね、恋愛したいです」
実は1か月前、彼氏と別れた。
好きだったし、相手も好きだと言っていた。
けれど、結婚に対する価値観が全く合わなかった。
相手の結婚願望に合わせる余裕がない私がいた。
こんなに思い出してしまうから、別れなきゃ良かったんじゃない?ってすごく思っているけど
別れたことに意味はある、と言い聞かせていた。
言い聞かせないと正気ではいられない。
「あれ?皆さんは?」
考え事をしている間に、律さん以外その場から居なくなっていた。
「煙草」
「あー!なるほど!」
「まだ引きずってるの?」
「え?」
「笑顔で話してたけど、無理しているように見えたから」
律さんはこういう細かいこと気づくタイプじゃないと勝手に決めつけていたから、少し驚いた。
「まあ、多分、大切な別れだったんだと思います」
「へえ」
「律さんって好きな人とか彼女さんいるんですか?」
「いや、いないよ」
「なんだか意外です」
「仕事楽しくてさ、恋愛したいってずっと思ってるけど考えないままここまできちゃった」
恋愛にがっつかなさそうな感じが律さんっぽい。
「そういえば、メール来てた、、、
ええ?!?!?!」
"花が潰れたっぽいから一緒に帰宅します 悠斗"
どうやら、花ちゃんが潰れてしまい
悠斗くんが面倒を見るらしくもう帰る、とのこと。
流石に、なんだか気まずい。
