アンコールはリビングで

4. 不意打ちのデザート

食後の片付けを終え、私たちはソファでまったりタイムに入った。
湊が淹れてくれたハーブティーの湯気が、のんびりと揺れている。

「……今日はありがとね、湊」

「ん?」

「お風呂も洗濯とかもやってくれてて。おかげでゆっくりできた」

私が礼を言うと、彼は「ついでだよ」とそっけなく答えた。

「……そういえば、今日は直帰で家にいたの?」

何気なく訊いた。
テレビ局を早く出たとしても、家事が全部終わっているにしては早すぎる気がしたからだ。

すると、湊が一瞬ピクリと肩を揺らした。

「あ、あぁ。まぁな」

「ふーん?」

「……思ったより巻きで終わってさ。マネージャーの車も飛ばしてくれたし。
マジで最高の週はじめだったわー」

彼は少し早口でまくし立てると、ハーブティーをズズッと啜った。

長年付き合っている私には分かる。何か隠している時の顔だ。
でも、やましい隠し事ではなさそう。なぜなら、彼の口元が隠しきれないほど緩んでいるからだ。