4. 明日へのチャージ
気づけば、窓の外は夕暮れ時のマジックアワーに染まっていた。
テレビのエンドロールが静かに流れている。
私たちはブランケットの中で絡まり合ったまま、微睡んでいた。
「……あーあ。日曜日、終わっちゃうな」
私がぽつりと呟くと、胸元で湊が小さく唸った。
「……言うな。現実に戻る」
「ふふ。明日は早い?」
「ん。朝イチでドラマの番宣の撮影。……あー、ダルい。行きたくねぇ」
彼は私の服の裾をギュッと握りしめ、子供のように駄々をこねる。
「国民的スター」の面影はゼロだ。
「でも、行くんでしょ?」
「……おう。行かねぇと、俺の一番のファンが悲しむだろ」
彼は顔を上げ、私の頬をつんとつついた。
「俺のかっこいいとこ、たまには拝ませてやらねぇとな」
「……はいはい。楽しみにしてますよ」
「おう。しっかり録画しとけよ」
憎まれ口を叩きながらも、その瞳は少し照れくさそうに揺れている。
仕事へのプロ意識と、私への不器用なサービス精神。
それが彼なりの「愛してる」のサインだと、私は知っている。
「……明日からまた戦場だな」
「うん。でも、大丈夫」
「……なんで?」
「湊のおかげで、充電満タンだから」
私が微笑むと、彼は一瞬きょとんとして、それからバツが悪そうに顔を背けた。
耳が赤い。
「……俺も」
彼はぶっきらぼうに言うと、恥ずかしさを隠すように、また私の胸に顔を埋めた。
「……ねぇ、湊」
「ん?」
「今日の夕飯、何にする?」
「……お前の好きなもんでいいよ。……あ、でも」
「でも?」
「もち麦は勘弁な。今日は白米が食いてぇ」
「ふふっ、分かった。今日は特別に白米にしてあげる」
「よっしゃ」と小さくガッツポーズをする彼を見て、私は声を上げて笑った。
ソファの上には、脱ぎ捨てられた毛玉のスウェットと、二人の体温。
特別なことは何もない。けれど、これ以上ないほど満たされた日曜日。
私たちの「アンコール」は、明日への活力を孕んで、静かに幕を下ろした。
気づけば、窓の外は夕暮れ時のマジックアワーに染まっていた。
テレビのエンドロールが静かに流れている。
私たちはブランケットの中で絡まり合ったまま、微睡んでいた。
「……あーあ。日曜日、終わっちゃうな」
私がぽつりと呟くと、胸元で湊が小さく唸った。
「……言うな。現実に戻る」
「ふふ。明日は早い?」
「ん。朝イチでドラマの番宣の撮影。……あー、ダルい。行きたくねぇ」
彼は私の服の裾をギュッと握りしめ、子供のように駄々をこねる。
「国民的スター」の面影はゼロだ。
「でも、行くんでしょ?」
「……おう。行かねぇと、俺の一番のファンが悲しむだろ」
彼は顔を上げ、私の頬をつんとつついた。
「俺のかっこいいとこ、たまには拝ませてやらねぇとな」
「……はいはい。楽しみにしてますよ」
「おう。しっかり録画しとけよ」
憎まれ口を叩きながらも、その瞳は少し照れくさそうに揺れている。
仕事へのプロ意識と、私への不器用なサービス精神。
それが彼なりの「愛してる」のサインだと、私は知っている。
「……明日からまた戦場だな」
「うん。でも、大丈夫」
「……なんで?」
「湊のおかげで、充電満タンだから」
私が微笑むと、彼は一瞬きょとんとして、それからバツが悪そうに顔を背けた。
耳が赤い。
「……俺も」
彼はぶっきらぼうに言うと、恥ずかしさを隠すように、また私の胸に顔を埋めた。
「……ねぇ、湊」
「ん?」
「今日の夕飯、何にする?」
「……お前の好きなもんでいいよ。……あ、でも」
「でも?」
「もち麦は勘弁な。今日は白米が食いてぇ」
「ふふっ、分かった。今日は特別に白米にしてあげる」
「よっしゃ」と小さくガッツポーズをする彼を見て、私は声を上げて笑った。
ソファの上には、脱ぎ捨てられた毛玉のスウェットと、二人の体温。
特別なことは何もない。けれど、これ以上ないほど満たされた日曜日。
私たちの「アンコール」は、明日への活力を孕んで、静かに幕を下ろした。
