磁石【短編】

朝。学校に着くと、もうすでにクラスにはいくつかの輪ができていて。


私はマフラーをほどきながら自分の席に着く。


みんなが持ってるのは流行りの可愛いマフラー。


有名な女優とか、アイドルとかが付けてるかわいいやつ。


でも私は、母親のお下がり。


別にこのマフラーが悪いわけじゃない。


まぁ、きっと素材の問題だよね。


私じゃない人がつけたら可愛いんだろうな



私の幼馴染はもう学校に着いてる。


君はいつも早朝にランニングをしながら学校に来てるんだよね。


今日も友達と話している君を斜め前の席から見てるの。


本を読んでるフリしながら。


でも冬は寒いからな指先の感覚がまだなくて、ページを捲る手がかじかむ。


「ね、カイロいる?」


あなたが私に話しかける。


「え、あ、」


あー、やばい。どもっちゃう。


でもあなたは私のことをよく理解してくれてるから、そのままカイロを私の机において自分の席に戻っちゃった。


あー、なんか話しかければ良かったか。



遠ざかる背中を見ながら思う。


中学校に上がるまではよく話したよね。


家も近くて。


まるで、S極とN極が引かれあってるみたいだなって、