喧騒な繁華街。
夕方といえど、制服姿の小娘は浮く。広い背中を追いかけてる私は金色の頭に向かって言葉を幾つも投げかけた。
「さっきね、告白されたんです。可愛いって言われました。嬉しいけど、私の欲しい言葉は〝それ〟じゃないんですよね」
「……」
「我儘だと思います? 本心から言ってもらいたいので欲しい言葉は内緒なんですけど、望むだけなら良いですよね。ところで不良さんは欲しい言葉とかありま
す?」
「…………」
ガン無視を決め込まれている。
傍から見たら不良に付き纏ってる変な人かな?
なんて少々心配になりながらも、やっぱり離れ難いので後を追った。
日も暮れてネオンと人で犇めき出す夜の街。
場違いかもと立ち止まりかけた時、目の前の不良さんが足を止めたので追突した。
「いてて、急にどうしました……」
「隠れてろ、後ろ」
真剣な声で言われ、私は従順に従う。
それでも気になって隙間から顔を出すと、典型的な不良数人が睨み合っていて、事態を察知した。
「しつけえな」
「この前はよくもやってくれたなぁ? お礼参りに来てやったぜ」
「うぜえ、来んな」
この場の異分子は私だろう。
一触即発の空気。ゴングが鳴ってファイトが始まったら、私は彼にとって足手まといのお荷物だ。



