トップアイドルは白衣の天使に恋をする

「でさ」

梓がふと思い出したように言う

「来週からドラマの撮影、うちの病院で本格的に始まるの知ってる?」

「……え?」

一気に現実に引き戻される

「え、聞いてないの?」

「知らない……」

「マジ?正式に決まったよ医療監修も入るし、現場指導で看護師も関わるって」

ドクン、と心臓が大きく鳴る

「……それって」

「うん、佐野陽貴も来るんじゃない?」

ニヤッと笑う梓

また会えるんだ

胸の奥が、少しだけ高鳴る

「紗凪、顔やばいよ」

「えっ?!」

慌てて頬に手を当てる

熱い

絶対、赤い

「いいじゃん」

梓がくすっと笑う

「ちゃんと恋してる顔してる」

「……っ」

言い返せない

どうしよう

でも――

少しだけ、楽しみだと思ってしまった

会える、その事実だけで、胸がまた、ドクンと音を立てた