トップアイドルは白衣の天使に恋をする

「で?」

「……で?」

「好きなの?」

一瞬、時間が止まる

「え……?」

「いやだから、佐野陽貴こと好きなの?」

直球すぎる質問

言葉が出ない

好き――?

そんなの、考えたことなかった

いや、考えないようにしてた

「……分かんない」

正直に答える

「でも、なんか……会えないと寂しいし」

ぽつりとこぼれる本音

「連絡来ると、すごく嬉しくて……」

胸の奥が、じんわりする

「会いたいって、思っちゃうし……」

そこまで言って、ハッとする

梓は、にやっと笑った

「それね」

ビシッと指をさされる

「恋だよ」

「……っ」

言葉を失う



その一言が、

頭の中で何度も反響する

「うそ…」

「いや嘘じゃないむしろ分かりやすすぎ」

「でも……」

首を振る

「相手はアイドルだし、私なんて――」

「はいストップ」

ぴしっと止められる

「“私なんて”禁止ね」

あの時の陽貴くんの言葉と、重なる

胸がきゅっとなる

「相手が誰とか関係ないの紗凪がどう思ってるかでしょ」

真っ直ぐな目

逃げられない

「……恋、なのかな」

小さく呟く

その瞬間、自分の中で何かがストンと落ちた気がした

あぁ、そっか

だからこんなに――

苦しくて、嬉しくて、落ち着かないんだ