なんだ……? そう思った、その時。 「救急車呼んで!あとAED持ってきてください!」 人混みの中から、凛とした女性の声が響いた。 「誰か倒れたのか?」 様子を見に行こうとすると、 「待って陽貴。今変装してないし、バレたら騒ぎになる」 優朔に腕を引かれる。 ……確かに。 ここで騒ぎになれば、今後このビルは使えなくなるかもしれない。 「対応してるの、医療従事者っぽいし。ここは任せて行こう」 そう言われて、一度は踵を返す。