陽貴side
「なに?」
ガチャ、とドアを開けると、メンバー全員が揃っていた
「うーわ、陽貴さん機嫌悪っ」
蒼依が引きつった顔でそう言う
……当たり前だろ
あのタイミングで邪魔されて機嫌良くいられるやつがどこにいる
あと数秒あれば、っていうあの数秒を返してほしい
……いや、ほんと無理だろ
あの表情あの声あの距離
思い出すだけで頭が焼ける
「陽貴、新曲の歌詞のことで相談があって来たんだ出直したほうがいいか?」
優朔が冷静にそう言う
「いや……大丈夫上がって」
そう答えたのは、半分反射だった
むしろこいつらが来てくれてよかったのかもしれない
あのままだったら――確実に踏み越えてた
理性がどうとかじゃない
もう、止める理由がなかった
あんな顔で見上げられたら……無理だろ
真っ赤な顔
潤んだ目
呼吸すら乱れてるみたいな、あの表情
思い出した瞬間、喉が詰まる
メンバーがリビングに入り、それぞれ動き始める
この光景はいつも通り
仕事の話をするだけなら、いつもの俺に戻れるはずだった
「陽貴さん、部屋の匂い変えた?」
ふいに奏が鼻をひくつかせる
「……っ」
一瞬、心臓が止まりかけた
さすが…
奏はそういうことに1番鋭い
「いつもと同じだよ」
何でもないふりで返す
頼むから気づくな
紗凪ちゃんの匂い
まだ、ほんの少しだけ残ってる
消えるわけがない
さっきまでそこにいたんだから
「それより歌詞の話、続けて」
無理やり話題を戻す
優朔が資料を広げ、会議が始まる
頭では理解してる
仕事しろ
今は仕事の時間だ
なのに――
……早く戻りてぇ
それしか浮かばない
部屋に置いてきた彼女の顔
不安そうで、でも必死に俺を信じてくれてた目
あれが、ずっと離れない
守りたいとかじゃない
もっと、近くにいたい
そういう感情が、もう止まらない
「……陽貴さん?聞いてます?」
蒼依の声で現実に引き戻される
「悪い、続けて」
「珍しくぼーっとしてるけど大丈夫?体調悪いなら出直すけど」
優朔がじっと見てくる
「恋の悩みっすか?それなら俺に任せてください!」
奏が食いつくように言う
やめろ、その目
絶対バレる
「いや、ないない俺に限ってそれはない」
即答する
「この顔に落ちない女いないでしょ普通」
蒼依が笑う
いるんだよ、それが
しかも、もう手遅れだ
「だから違うって早く続きやるぞ」
声だけは冷静に
でも内側はもう全然違う
1時間
ようやく会議が終わる
時計を見る
…やっとだ
「なに?」
ガチャ、とドアを開けると、メンバー全員が揃っていた
「うーわ、陽貴さん機嫌悪っ」
蒼依が引きつった顔でそう言う
……当たり前だろ
あのタイミングで邪魔されて機嫌良くいられるやつがどこにいる
あと数秒あれば、っていうあの数秒を返してほしい
……いや、ほんと無理だろ
あの表情あの声あの距離
思い出すだけで頭が焼ける
「陽貴、新曲の歌詞のことで相談があって来たんだ出直したほうがいいか?」
優朔が冷静にそう言う
「いや……大丈夫上がって」
そう答えたのは、半分反射だった
むしろこいつらが来てくれてよかったのかもしれない
あのままだったら――確実に踏み越えてた
理性がどうとかじゃない
もう、止める理由がなかった
あんな顔で見上げられたら……無理だろ
真っ赤な顔
潤んだ目
呼吸すら乱れてるみたいな、あの表情
思い出した瞬間、喉が詰まる
メンバーがリビングに入り、それぞれ動き始める
この光景はいつも通り
仕事の話をするだけなら、いつもの俺に戻れるはずだった
「陽貴さん、部屋の匂い変えた?」
ふいに奏が鼻をひくつかせる
「……っ」
一瞬、心臓が止まりかけた
さすが…
奏はそういうことに1番鋭い
「いつもと同じだよ」
何でもないふりで返す
頼むから気づくな
紗凪ちゃんの匂い
まだ、ほんの少しだけ残ってる
消えるわけがない
さっきまでそこにいたんだから
「それより歌詞の話、続けて」
無理やり話題を戻す
優朔が資料を広げ、会議が始まる
頭では理解してる
仕事しろ
今は仕事の時間だ
なのに――
……早く戻りてぇ
それしか浮かばない
部屋に置いてきた彼女の顔
不安そうで、でも必死に俺を信じてくれてた目
あれが、ずっと離れない
守りたいとかじゃない
もっと、近くにいたい
そういう感情が、もう止まらない
「……陽貴さん?聞いてます?」
蒼依の声で現実に引き戻される
「悪い、続けて」
「珍しくぼーっとしてるけど大丈夫?体調悪いなら出直すけど」
優朔がじっと見てくる
「恋の悩みっすか?それなら俺に任せてください!」
奏が食いつくように言う
やめろ、その目
絶対バレる
「いや、ないない俺に限ってそれはない」
即答する
「この顔に落ちない女いないでしょ普通」
蒼依が笑う
いるんだよ、それが
しかも、もう手遅れだ
「だから違うって早く続きやるぞ」
声だけは冷静に
でも内側はもう全然違う
1時間
ようやく会議が終わる
時計を見る
…やっとだ
