トップアイドルは白衣の天使に恋をする

“あえて”雨が降りそうな今日を選んで、ご飯に誘った。




もちろん天気予報はちゃんと見ていたし。




“あえて”傘も持たずに出てきた。




そして、“あえて”俺の家から近いレストランを予約した。




なんでかって?




だって、ただご飯に行くだけで満足できるほど、単純な気持ちじゃないから。




もっといろんな表情の紗凪ちゃんを、ちゃんと見てみたかった。




天然で、鈍感で、驚くほど無防備で。




気づかないうちに人の心を揺らすのに、自分は何も分かってない。




……本当は今すぐにでも、全部手元に置いてしまいたいくらいなのに。




それでも、まだ我慢できている自分を褒めてやりたい。




もう少しだけ、ゆっくりでいい。




焦らなくても、ちゃんとこっちに来るって分かってるから。




はぁ……ほんと、可愛いな。




こんな気持ち、知られたらどう思われるんだろう。




引かれるかな。




それとも、逃げるかな。




……でも、まあ。




もう遅いかもしれないけど。




だって俺は、欲しいと思ったものはちゃんと手に入れるタイプだから。




だからさ。




紗凪ちゃん。




少しずつでいいから。




こっちに来てね。