時計を見ると19時。
約束は20時。もうあまり時間はない。
急いで物品補充を終わらせ、更衣室へ向かった。
うちの病院の更衣室には、なぜかパウダールームがある。
シャワー、ドライヤー、ヘアアイロン、メイク道具まで一通り揃っている。
正直、ここ病院だよね…?って何度か思う。
このパウダールームができた理由は、梓の一言だった。
「仕事終わりに外出するのに準備する場所がない!」
当時付き合っていた元彼のために院長(お祖父様)へ直談判したらしい。
その結果、たった1週間で完成。
院長の梓愛がすごい。
社員への感謝とかなんとか言っていたけど、
ほぼ“梓の圧”でできたのは知っている
普段はほとんど使わない場所だけど、今日は別。
ここで身支度を整えて向かうことにした。
陽貴くんに指定された場所は、あのホテル。
レストランがいくつも入っている会員制の空間。
ドレスコードもある少し特別な場所。
こういうの、慣れてるはずなのに……今日はすごく緊張する。
鏡の前で小さく息を吐く。
選んだのは、シンプルなブラックドレス。
タイトなシルエットが体のラインを綺麗に見せてくれる。
背中はさりげなく開いていて、上品さの中に少しだけ大人の空気を含んでいる
アクセサリーをつけ、髪をほどく。
軽く巻いてスプレーを吹きかけると、ふわりと揺れた。
最後にメイクを整えて、バッグを手に取る。
「よし……」
小さく息を吸って、更衣室を出た。
廊下を歩くたびに、空気が少しずつ変わる。
すれ違う人が、思わず足を止める。
一度目を奪われて、そして遅れて視線が追いかけていく。
「……え、今の人」
「一ノ瀬さん?」
「…モデル?」
小さな声が背中でざわつく。
私はまだ知らない
明日の病院の話題が
“昨日の女神”で埋まることを
そして今夜、このディナーが
ただの食事で終わらないことを。
約束は20時。もうあまり時間はない。
急いで物品補充を終わらせ、更衣室へ向かった。
うちの病院の更衣室には、なぜかパウダールームがある。
シャワー、ドライヤー、ヘアアイロン、メイク道具まで一通り揃っている。
正直、ここ病院だよね…?って何度か思う。
このパウダールームができた理由は、梓の一言だった。
「仕事終わりに外出するのに準備する場所がない!」
当時付き合っていた元彼のために院長(お祖父様)へ直談判したらしい。
その結果、たった1週間で完成。
院長の梓愛がすごい。
社員への感謝とかなんとか言っていたけど、
ほぼ“梓の圧”でできたのは知っている
普段はほとんど使わない場所だけど、今日は別。
ここで身支度を整えて向かうことにした。
陽貴くんに指定された場所は、あのホテル。
レストランがいくつも入っている会員制の空間。
ドレスコードもある少し特別な場所。
こういうの、慣れてるはずなのに……今日はすごく緊張する。
鏡の前で小さく息を吐く。
選んだのは、シンプルなブラックドレス。
タイトなシルエットが体のラインを綺麗に見せてくれる。
背中はさりげなく開いていて、上品さの中に少しだけ大人の空気を含んでいる
アクセサリーをつけ、髪をほどく。
軽く巻いてスプレーを吹きかけると、ふわりと揺れた。
最後にメイクを整えて、バッグを手に取る。
「よし……」
小さく息を吸って、更衣室を出た。
廊下を歩くたびに、空気が少しずつ変わる。
すれ違う人が、思わず足を止める。
一度目を奪われて、そして遅れて視線が追いかけていく。
「……え、今の人」
「一ノ瀬さん?」
「…モデル?」
小さな声が背中でざわつく。
私はまだ知らない
明日の病院の話題が
“昨日の女神”で埋まることを
そして今夜、このディナーが
ただの食事で終わらないことを。
