その日は構えていた通り大忙しでなんとヘリが6件も飛んだ
記録の7件に迫る勢いだった
他院搬送2件、当院4件でそのうちICU入室3件だったから今頃ICUで働いてる医師や看護師達は大忙しだと思う
日が落ちヘリの出動時間が終わるまでずっと動きっぱなしだったからお昼ご飯さえも食べることができなかった
ヘリのエンジンが完全に止まり、静けさが戻る
一気に全身の疲れが押し寄せてきた
…ほんとに今日、よく持ったな…
ヘリの中で最後の片付けを終えると、深く息を吐いた
「はぁ〜疲れたお疲れ、一ノ瀬」
志田先生がヘッドセットを外しながら笑う
「お疲れ様でした本当に今日はすごかったですね」
「だよな〜よーし、頑張った俺たちは美味いメシでも行くか!」
軽いテンションで笑う先生
「肉にしよう、肉」
いつもの流れ
「すみません、今日は先約があって…」
そう言った瞬間、志田先生の目が少しだけ大きくなる
「へぇ?一ノ瀬、男か?」
「そんなんじゃないです」
即答するけど、言葉が少し詰まる
男、は男だけど……違うし
「誰だよ、病院のやつか?」
ぐいっと距離を詰めてくる志田先生
「いや、それはちょっと……」
言いかけたところで
バシッ
軽快な音がヘリポートに響いた
「それセクハラ!やめなさいってば!」
登場したのは原田先生だった
産婦人科の女医で、志田先生の幼馴染
「ゆいっ……なんでお前ここに……」
一気に動揺する志田先生
「ご飯難民でしょ?迎えに来てあげたの」
堂々とした笑顔
「今日は一ノ瀬さんはデートなんだから、邪魔しないの」
「デートじゃねぇって!」
志田先生が即ツッコミを入れる
そのやりとりに、思わず少し笑ってしまう
「すみません、ありがとうございます」
原田先生は軽くウインクした
「いいのいいの若い子の予定は大事にしなきゃね」
志田先生は不満そうにしながらも、手を動かして片付けを終える
「ほら行くよ〜志田」
「はいはい……」
ぶつぶつ言いながらも、どこか嬉しそうに二人は去っていった
ヘリポートに残ったのは、私一人
ようやく少しだけ、静かになる
空を見上げると、もう夕暮れだった
胸の奥が少しだけ落ち着かない
その時、ポケットの携帯が震えた
“陽貴くん”
表示を見た瞬間、心臓が小さく跳ねる
「今日、20時にね」
短いメッセージ
それだけなのに、なぜか呼吸が少し乱れた
なんでこんなに緊張するんだろ
少し笑って、返信を打つ
「お願いします」
そして私は、ヘリポートを後にした
記録の7件に迫る勢いだった
他院搬送2件、当院4件でそのうちICU入室3件だったから今頃ICUで働いてる医師や看護師達は大忙しだと思う
日が落ちヘリの出動時間が終わるまでずっと動きっぱなしだったからお昼ご飯さえも食べることができなかった
ヘリのエンジンが完全に止まり、静けさが戻る
一気に全身の疲れが押し寄せてきた
…ほんとに今日、よく持ったな…
ヘリの中で最後の片付けを終えると、深く息を吐いた
「はぁ〜疲れたお疲れ、一ノ瀬」
志田先生がヘッドセットを外しながら笑う
「お疲れ様でした本当に今日はすごかったですね」
「だよな〜よーし、頑張った俺たちは美味いメシでも行くか!」
軽いテンションで笑う先生
「肉にしよう、肉」
いつもの流れ
「すみません、今日は先約があって…」
そう言った瞬間、志田先生の目が少しだけ大きくなる
「へぇ?一ノ瀬、男か?」
「そんなんじゃないです」
即答するけど、言葉が少し詰まる
男、は男だけど……違うし
「誰だよ、病院のやつか?」
ぐいっと距離を詰めてくる志田先生
「いや、それはちょっと……」
言いかけたところで
バシッ
軽快な音がヘリポートに響いた
「それセクハラ!やめなさいってば!」
登場したのは原田先生だった
産婦人科の女医で、志田先生の幼馴染
「ゆいっ……なんでお前ここに……」
一気に動揺する志田先生
「ご飯難民でしょ?迎えに来てあげたの」
堂々とした笑顔
「今日は一ノ瀬さんはデートなんだから、邪魔しないの」
「デートじゃねぇって!」
志田先生が即ツッコミを入れる
そのやりとりに、思わず少し笑ってしまう
「すみません、ありがとうございます」
原田先生は軽くウインクした
「いいのいいの若い子の予定は大事にしなきゃね」
志田先生は不満そうにしながらも、手を動かして片付けを終える
「ほら行くよ〜志田」
「はいはい……」
ぶつぶつ言いながらも、どこか嬉しそうに二人は去っていった
ヘリポートに残ったのは、私一人
ようやく少しだけ、静かになる
空を見上げると、もう夕暮れだった
胸の奥が少しだけ落ち着かない
その時、ポケットの携帯が震えた
“陽貴くん”
表示を見た瞬間、心臓が小さく跳ねる
「今日、20時にね」
短いメッセージ
それだけなのに、なぜか呼吸が少し乱れた
なんでこんなに緊張するんだろ
少し笑って、返信を打つ
「お願いします」
そして私は、ヘリポートを後にした
