トップアイドルは白衣の天使に恋をする

紗凪side

am6:00

目覚ましの音と共に目を覚ます。

今日はヘリ担当の日。

何年経っても、この日はやっぱり緊張するし気が張る。

そして――今日は、陽貴くんとのディナーの日。

……はぁああああ。こっちも緊張する。

仕事の緊張と別の緊張が同時に押し寄せてくる。

今日一日、ちゃんと乗り切れるかな…

そんなことを考えながら、ゆっくりと身支度を整えた



20分ほどで準備を終えると、テレビをつける

「続いては今日の天気予報です——」

ブチッ

途中でテレビを消して家を出た。



病院に到着し、フライトユニフォームへ着替える

ヘリ内で物品の最終確認をしていると

「今日は一ノ瀬がフライトナースか!頼もしいな〜」

明るい声と共に現れたのは志田先生だった。

今日のフライト担当ドクター。

「先生、今日はよろしくお願いします」

「いやいや、こちらこそ。俺は一ノ瀬について行くだけだから」

軽く笑い合う。

志田先生は本当に優しいドクターだ。

冗談を言う余裕がありながらも、患者には誰よりも真剣。

だからこそ医師からも看護師からも信頼されている。



「でもな〜」

志田先生がふと空を見上げる

「俺たちが揃うと、ほんと患者引き寄せるんだよな〜」

その言葉に、私は苦笑した。

実際、私たちがペアになる日は忙しくなることが多い。

ドクターヘリ最多出動記録も、このペアでのものだ。

ICUでも同じで、急変や緊急入院が重なる日が多い。

林くんが“最悪コンビ”って言うのも分かるかも…



そんな会話をしながら物品チェックを終え、ICUへ戻ろうとした、その時

ピピピピ──

同時に、私と先生のPHSが鳴った

視線が交わる

「……来たね」

「っしゃー、今日も頑張りますか」



すぐにヘリへ向かい、走り出す。

エンジン音が近づく中、私は一度だけ呼吸を整え、ヘリへ乗り込んだ。