奏side
あっぶねぇ…
……俺、さっき何言おうとしてた?
ヘリのコールがなかったら、
とんでもないこと口にしてた気がする。
まじで危なかった。
——でも。
一ノ瀬さんと関われば関わるほど、
どんどん彼女の魅力に惹かれていく。
説明を聞いてるだけで伝わってくるんだ。
どれだけ努力してきたのか。
どんな質問にも、ちゃんと分かりやすく返してくれるし、
俺がメモを取ってると、さりげなく話すスピードを落としてくれる。
そういう細かい気遣いも全部、自然体で。
それに——
楽しそうに仕事してる顔。
あれは、ずるい。
……ほんと、ずるい人だ。
おまけに
「すぐ戻るから、待っててね」
なんてさ。
あんなの、反則だろ。
はぁぁああ……
やべぇな、俺。
思ってたより、ずっと——
彼女に興味がある。
ICUを一緒に回ってる時、ずっと感じてた視線。
主に、周りの男たちからのやつ。
分かりやすいくらい、みんな見てた。
一ノ瀬さんのこと。
でも——
当の本人は、全然気づいてない。
……あの人、多分
天才級に鈍感だ。
あれだけ視線向けられてて気づかないって、逆にすごい。
だからこそ、危なっかしい。
——余計に目が離せない。
「桜庭くん」
師長さんに声をかけられて、我に返る。
「一ノ瀬、ちょうど出動したしお昼行っておいで。
さっきの部屋にお弁当あるから。1時間くらいで戻ってきてね」
「了解っす」
俺は軽く返事をして、陽貴さんと優朔さんと合流し、
さっきの部屋へ戻ることになった。
廊下を歩きながら、
「2人ともどう?順調?」
優朔さんが穏やかに聞いてくる。
「うん、演技に活かせそうなことばっかりで
すごく勉強になるよ」
さすが陽貴さん、ブレないな。
「奏は?」
続けて、陽貴さんがこっちを見る。
「色々教えてもらった?」
……あれ。
声、ちょっと低くない?
「はい。すごく丁寧に、色々教えてもらってますよ」
わざと、少しだけ強調して言う。
「……そうか」
短い返事。
やっぱり、機嫌よくない。
——まぁ、原因は分かってる。
陽貴さん。
あの日、あの瞬間。
彼女を見てから——
ずっと、頭から離れてないんでしょ?
口には出さない。
態度にもあまり出さない。
でも、
分かるよ。
視線が、全部物語ってる。
あんな目で誰かを見るの、初めて見た。
でもね——
心の中で、少しだけ笑う。
今のところ、一ノ瀬さんと一番近くにいるのは俺なんだよね。
……なんて。
こんなこと、口が裂けても言えないけど。
あっぶねぇ…
……俺、さっき何言おうとしてた?
ヘリのコールがなかったら、
とんでもないこと口にしてた気がする。
まじで危なかった。
——でも。
一ノ瀬さんと関われば関わるほど、
どんどん彼女の魅力に惹かれていく。
説明を聞いてるだけで伝わってくるんだ。
どれだけ努力してきたのか。
どんな質問にも、ちゃんと分かりやすく返してくれるし、
俺がメモを取ってると、さりげなく話すスピードを落としてくれる。
そういう細かい気遣いも全部、自然体で。
それに——
楽しそうに仕事してる顔。
あれは、ずるい。
……ほんと、ずるい人だ。
おまけに
「すぐ戻るから、待っててね」
なんてさ。
あんなの、反則だろ。
はぁぁああ……
やべぇな、俺。
思ってたより、ずっと——
彼女に興味がある。
ICUを一緒に回ってる時、ずっと感じてた視線。
主に、周りの男たちからのやつ。
分かりやすいくらい、みんな見てた。
一ノ瀬さんのこと。
でも——
当の本人は、全然気づいてない。
……あの人、多分
天才級に鈍感だ。
あれだけ視線向けられてて気づかないって、逆にすごい。
だからこそ、危なっかしい。
——余計に目が離せない。
「桜庭くん」
師長さんに声をかけられて、我に返る。
「一ノ瀬、ちょうど出動したしお昼行っておいで。
さっきの部屋にお弁当あるから。1時間くらいで戻ってきてね」
「了解っす」
俺は軽く返事をして、陽貴さんと優朔さんと合流し、
さっきの部屋へ戻ることになった。
廊下を歩きながら、
「2人ともどう?順調?」
優朔さんが穏やかに聞いてくる。
「うん、演技に活かせそうなことばっかりで
すごく勉強になるよ」
さすが陽貴さん、ブレないな。
「奏は?」
続けて、陽貴さんがこっちを見る。
「色々教えてもらった?」
……あれ。
声、ちょっと低くない?
「はい。すごく丁寧に、色々教えてもらってますよ」
わざと、少しだけ強調して言う。
「……そうか」
短い返事。
やっぱり、機嫌よくない。
——まぁ、原因は分かってる。
陽貴さん。
あの日、あの瞬間。
彼女を見てから——
ずっと、頭から離れてないんでしょ?
口には出さない。
態度にもあまり出さない。
でも、
分かるよ。
視線が、全部物語ってる。
あんな目で誰かを見るの、初めて見た。
でもね——
心の中で、少しだけ笑う。
今のところ、一ノ瀬さんと一番近くにいるのは俺なんだよね。
……なんて。
こんなこと、口が裂けても言えないけど。
