開演30分前。
ドームの中は、すでにものすごい熱気だった。
「やば……」
思わず小さく呟く。
会場いっぱいに広がる光。
ざわめき。
期待。
ファンの子たちの高揚感。
全部が混ざって、空気そのものが震えているみたいだった。
「紗凪、これ持って」
梓がペンライトを押し付けてくる。
「え、こう?」
「そう!そのボタン!」
慣れた手つきで説明してくれる梓。
完全に仕上がってる。
「ねぇほんとに泣かないでよ?」
「だから泣かないってば」
そう言った瞬間。
会場の照明がゆっくり落ちた。
「——っ!」
一気に悲鳴みたいな歓声が上がる。
ドーム全体が揺れた気がした。
暗闇。
心臓がどくどく鳴る。
大型スクリーンに映像が流れ始める。
黒騎士のロゴ。
重低音。
会場中の歓声がさらに大きくなる。
そして——。
バンッ!!!
爆発音みたいな特効。
まばゆい光。
その中心から現れた4人。
「きゃああああああ!!!」
耳が痛くなるくらいの歓声。
でも。
その歓声すら飲み込むくらい。
ステージの上の陽貴くんは圧倒的だった。
「——っ……」
息を呑む。
黒い衣装。
強いライト。
大歓声。
その真ん中で、陽貴くんが笑っていた。
家で甘えてくる人と同じとは思えないくらい。
別人みたいに眩しかった。
歌が始まる。
低く響く声。
伸びる高音。
キレのあるダンス。
どこを見ても“アイドル”だった。
その瞬間。
初めてちゃんと実感した。
——この人、本当にすごい人なんだ。
何万人もの視線を集めて。
会場全部を支配して。
一瞬で空気を変えてしまう。
隣の梓が興奮気味に叫ぶ。
「やばい!!かっこよすぎる!!」
でも私は返事ができなかった。
ただ、目が離せない。
MCに入る。
奏くんが騒ぎ始める。
「お前らー!!会いたかったかー!!」
歓声。
蒼依くんが笑いながら止める。
優朔さんは少し苦笑しながら、それでもちゃんとファンへ手を振っていた。
怪我の影響を感じさせないくらい自然だった。
でも。
私は少しだけ気づく。
右肩。
まだ完全じゃない。
動かす瞬間、ほんの少しだけ庇ってる。
たぶん他の人は気づかない。
でも私は医療者だから分かる。
すると隣で梓が小さく呟いた。
「……無理してるわね」
その目が優しくて。
私は少し笑ってしまう。
「梓」
「なによ」
「ほんと優朔さん好きだよね」
「違う!!」
即答。
でも顔が赤い。
そんなやり取りをしている間にもライブは進んでいく。
ドームの中は、すでにものすごい熱気だった。
「やば……」
思わず小さく呟く。
会場いっぱいに広がる光。
ざわめき。
期待。
ファンの子たちの高揚感。
全部が混ざって、空気そのものが震えているみたいだった。
「紗凪、これ持って」
梓がペンライトを押し付けてくる。
「え、こう?」
「そう!そのボタン!」
慣れた手つきで説明してくれる梓。
完全に仕上がってる。
「ねぇほんとに泣かないでよ?」
「だから泣かないってば」
そう言った瞬間。
会場の照明がゆっくり落ちた。
「——っ!」
一気に悲鳴みたいな歓声が上がる。
ドーム全体が揺れた気がした。
暗闇。
心臓がどくどく鳴る。
大型スクリーンに映像が流れ始める。
黒騎士のロゴ。
重低音。
会場中の歓声がさらに大きくなる。
そして——。
バンッ!!!
爆発音みたいな特効。
まばゆい光。
その中心から現れた4人。
「きゃああああああ!!!」
耳が痛くなるくらいの歓声。
でも。
その歓声すら飲み込むくらい。
ステージの上の陽貴くんは圧倒的だった。
「——っ……」
息を呑む。
黒い衣装。
強いライト。
大歓声。
その真ん中で、陽貴くんが笑っていた。
家で甘えてくる人と同じとは思えないくらい。
別人みたいに眩しかった。
歌が始まる。
低く響く声。
伸びる高音。
キレのあるダンス。
どこを見ても“アイドル”だった。
その瞬間。
初めてちゃんと実感した。
——この人、本当にすごい人なんだ。
何万人もの視線を集めて。
会場全部を支配して。
一瞬で空気を変えてしまう。
隣の梓が興奮気味に叫ぶ。
「やばい!!かっこよすぎる!!」
でも私は返事ができなかった。
ただ、目が離せない。
MCに入る。
奏くんが騒ぎ始める。
「お前らー!!会いたかったかー!!」
歓声。
蒼依くんが笑いながら止める。
優朔さんは少し苦笑しながら、それでもちゃんとファンへ手を振っていた。
怪我の影響を感じさせないくらい自然だった。
でも。
私は少しだけ気づく。
右肩。
まだ完全じゃない。
動かす瞬間、ほんの少しだけ庇ってる。
たぶん他の人は気づかない。
でも私は医療者だから分かる。
すると隣で梓が小さく呟いた。
「……無理してるわね」
その目が優しくて。
私は少し笑ってしまう。
「梓」
「なによ」
「ほんと優朔さん好きだよね」
「違う!!」
即答。
でも顔が赤い。
そんなやり取りをしている間にもライブは進んでいく。
